2012年07月15日

受胎告知

受胎告知

誰の絵?

この作品は、前回紹介した「ヴェロッキオ工房」で修行中の若き巨匠が描いたもので、
彼のデビュー作とされています。

現イスラエルの都市。北部地区のナザレに住むマリアのもとに、突然現れた天使ガブリエルが
「おめでとう。恵まれた女よ。主があなたと共におられる」と告げ、乙女であるマリアに
神の子が宿ったことを伝えるといった内容が描かれています。

まだあどけなさの残る読書中のマリアに天使ガブリエルが受胎を告げることから
「受胎告知」というタイトルになっています。

天使ガブリエルが左手に持つ百合の花は、純潔のまま身籠もったという証とされており、
ガブリエルが右手の二本の指を立てる仕草は・・・祝福を意味するポーズと言われています。

受胎告知


マリアがまとっている衣装は、赤は「愛情」を、青は「信仰」を表していると言われています。
聖母マリアの描かれている作品では、この衣装が定番なので、ぜひ確認してください。 

受胎告知

作者は・・・レオナルド・ダ・ヴィンチ

彼の確立した画法は・・・

フィレンツェの建築家ブルネレスキの理論である『線遠近法』が1420年頃に
発表され、初期ルネサンスの画家たちにより確立されましたが・・・
さらにレオナルド・ダ・ヴィンチは遠近法にこだわりました。
現在の絵画では遠近法なんて当たり前の技法ですが、「ルネサンス」以前の絵画では
メインの人が大きく描かれ、その前に立つ人が小さく描かれたりと・・・
遠近逆転など当たり前の時代でした。

1点透視とか2点透視法などの線遠近法をさらに進めた技法は・・・
「空気遠近法」です。
遠くの景色はぼんやり見えることを利用して、色彩のの変化と色調の明暗で表現しました。

この受胎告知でも、遠くの景色は青色を用いて、空気の中に消えていくように
描いています(スフマート技法)

受胎告知

あらためて絵の全体像を観ると・・・線遠近法の「消失点(平行線の集まる場所)」が
よく解りますネ。


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